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先生のおはなし

2025.06.13

予防接種をご検討中の保護者の皆さまへ

厚別区で予防接種をお考えの保護者の方へ向けたご案内画像

お子さまの健やかな成長を支えるうえで、予防接種(ワクチン)はとても重要な役割を果たします。ワクチンは、重い感染症からお子さまを守るだけでなく、地域社会全体の健康を守る手段としても欠かせません。この記事では、予防接種の基本的なしくみや種類、接種の流れ、保護者の皆さまからよく寄せられるご質問について、厚別区の小児科「大谷地のびやか子どもクリニック」よりわかりやすくお伝えします。初めての予防接種に不安を感じている方も、どうぞ安心してご覧ください。

定期接種と任意接種の違い

予防接種には、大きく分けて「定期接種」と「任意接種」の2種類があります。

定期接種とは?

  • 国が種類や接種時期を法令等で定め、市町村(札幌市など)が主体で実施するワクチン
  • 各病院やクリニックでほとんどが公費(無料)で接種可能
  • 集団免疫(接種したお子さんだけでなく、周りのお子さんへの感染予防)の形成にも重要な役割を果たします

任意接種とは?

  • 定期接種以外で、希望に応じてご家庭が判断して受けるワクチン
  • 基本的には自己負担(自費)での接種(一部のワクチンで助成制度がある場合もあります)
  • おたふくかぜ・インフルエンザなどが該当し、感染リスクをより広くカバーします

当院では、定期・任意にかかわらず、すべての予防接種について丁寧にご説明し、ご希望に応じたスケジュールをご提案しています。

年齢別・予防接種スケジュールの目安

予防接種は、お子さまの発育段階に応じて適切なタイミングで受けることが重要です。定期接種の多くが公費負担(無料)で受けられ、決められた時期に接種することで、より高い予防効果が期待できます。

■定期接種(公費負担により無料で受けられます)

ワクチン名接種開始時期予防できる病気
B型肝炎ワクチン(HBV)生後2か月~B型肝炎ウイルスによる肝炎、将来の肝硬変や肝がんのリスク軽減
ロタウイルスワクチン生後6週~24週重症胃腸炎(脱水を伴うロタウイルス感染)※経口接種
小児用肺炎球菌ワクチン生後2か月~肺炎、中耳炎、敗血症、髄膜炎などの重症感染症
五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)生後2か月~百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオ、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型
MR(麻しん・風しん混合)ワクチン1歳、年長期(小学校入学前)麻しん(はしか)、風しん
水痘ワクチン1歳~水ぼうそう(重症化や合併症の予防)
日本脳炎ワクチン3歳~日本脳炎(蚊を媒介するウイルスによる脳炎)
二種混合ワクチン(DT)小学6年生相当ジフテリア、破傷風
子宮頸がん予防ワクチン(HPV)小学6年生~高校1年生相当(女子)ヒトパピローマウイルスによる子宮頸がんや尖圭コンジローマなど


■主な任意接種(自費・一部助成あり)

ワクチン名接種開始時期予防できる病気
インフルエンザワクチン生後6か月~季節性インフルエンザとその重症化、合併症(肺炎、中耳炎など)
おたふくかぜワクチン※11歳~流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、無菌性髄膜炎、難聴など
三種混合(百日せきを含む)ワクチン※2就学前(年長頃)百日せき、ジフテリア、破傷風
不活化ポリオワクチン※2就学前(年長頃)ポリオ(急性灰白髄炎)

※1 おたふくかぜワクチンは2回接種のうち、1回目のみ札幌市からの助成があります。
※2 定期接種だけでは、小学生までに「百日せき」と「ポリオ」の抗体が減ってしまうことから、日本小児科学会は就学前の追加接種を推奨しています。なお、百日せきについては、小学校高学年で行われる定期接種の二種混合ワクチンを三種混合に変更することも推奨されています。


■必要に応じてご案内している接種について

● 渡航ワクチン
海外渡航時に必要なワクチンは、渡航先の地域や目的により異なります。必要なワクチンや接種時期については、出発までの期間に余裕を持って当院までご相談ください。

● キャッチアップ接種
定期接種の期間内に接種できなかった場合も、接種の機会を逃さないようご案内しております。ワクチンの種類によっては助成の対象となる場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。


それぞれのワクチンには、感染症ごとに最も効果が得られる「接種時期」と「回数」が定められています。お子さまの年齢やこれまでの接種歴、体調などによって、必要なワクチンや接種の順序も異なります。当院では、母子手帳やこれまでの接種履歴をもとに、小児科専門医が一人ひとりに最適な予防接種スケジュールをご提案いたします。「このワクチンはもう受けた?」「間隔は足りている?」といった不安も、お気軽にご相談ください。

各ワクチン接種の意義と背景

予防接種は「病気を防ぐ」だけでなく、「お子さまの未来を守るための投資」です。ここでは、各ワクチンがなぜ重要なのか、どのような理由で推奨されているのかを、医学的な背景とともにご紹介します。

小児用肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌は、肺炎・中耳炎・敗血症などさまざまな感染症を引き起こします。免疫力の弱い乳幼児(特に0歳児)では重症感染症の化膿性髄膜炎の原因となり、生後2か月からのワクチンでの予防が非常に有効です。

B型肝炎ワクチン
肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染し、母子感染や集団生活での感染もあり得ます。感染が慢性化すると将来の肝硬変や肝がんの原因にもなるため、乳児期の接種が基本とされています。

ロタウイルスワクチン
感染力が強く、乳児に脱水症状を伴う重い胃腸炎を引き起こすウイルスです。接種できる期間が限られているため、生後6週〜24週の早期接種が特に重要です。生後2か月からの定期接種に含まれます。

五種混合(DPT-IPV-Hib)ワクチン
百日せき・ジフテリア・破傷風・ポリオはいずれも重篤な感染症です。特に百日せきは乳児で呼吸困難を引き起こす恐れがあります。ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)による髄膜炎や喉頭蓋炎は、乳幼児に多く、発症すると急速に重症化することがあります。後遺症や命に関わることもあるため、生後2か月からの早期接種が強く推奨されています。複数の疾患を同時に防げるこのワクチンは、基本中の基本とも言えます。

MR(麻しん・風しん)ワクチン
麻しんは非常に感染力が強く、風しんは妊婦が感染すると胎児に障害を及ぼすことがあります。集団免疫を高める目的でも、2回の定期接種が大切です。

水痘(みずぼうそう)ワクチン
一般的な病気と思われがちですが、重症化すると肺炎や脳炎のリスクがあります。家庭内感染も多いため、集団生活前の接種が望ましいとされています。

日本脳炎ワクチン
蚊を媒介に感染し、まれながら重症化すると高い致死率や後遺症の可能性があります。3歳以降の接種で、地域によるリスクに備えることができます。

HPVワクチン(子宮頸がん)ワクチン
子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチンです。子宮頸がんは20代後半から40代の子育て中の女性に多いとされるがんの一種で、HPVに感染する前にワクチン接種を終了することで、発症リスクを大幅に低下させることが期待されています。

おたふくかぜワクチン(任意 一部助成あり
無菌性髄膜炎や難聴、睾丸炎などの合併症を引き起こすことがあります。集団生活を始める前に接種することで、家庭内や保育園などでの感染拡大を防ぐことができます。

インフルエンザワクチン(任意)
特に乳幼児や高齢者は重症化しやすく、年齢や基礎疾患によってもリスクが異なります。流行期前の毎年の接種で、家族内感染や合併症の予防に役立ちます。

予防接種前の準備と当日の流れ

準備事項

  1. 母子健康手帳:必ず持参、接種履歴チェックに使用
  2. 予診票:体温と体調確認し、事前に記入してお持ちください
  3. 体温確認:37.5℃以下であることを確認。発熱時は延期を
  4. 体調チェック:体調が優れない場合は無理せず延期を

当日の流れ

  1. 受付:母子手帳と予診票をご提出
  2. 問診・診察:医師が健康状態を確認し、説明します
  3. 接種:看護師が丁寧に実施
  4. 経過観察:30分間の院内観察。スタッフが随時フォロー

当院では、接種前にしっかりと診察・説明を行いますので、安心してお越しいただけます。

よくあるご質問にお答えします

Q. 副反応が心配です。
A. 多くは軽い発熱や腫れにとどまりますが、まれに強い反応が出ることがあります。不安な症状が見られた際には、いつでもご相談ください。

Q. 同時に複数のワクチンを受けても大丈夫?
A. 一般的に、医師の判断のもとで安全に接種できます。当院でも状況に応じてご提案いたします。

Q. キャンセルは可能ですか?
A. 別日程で再予約できますので、お気軽にご連絡ください。

当院での予防接種の流れと特徴

大谷地のびやか子どもクリニックでは、毎週火曜日・金曜日の14:00〜15:00に、予防接種専用の時間帯を設けています。感染症の患者さまと接触する機会を減らし、より安心して接種を受けていただけるよう配慮しています。ワクチンの在庫状況により当日でも接種が可能な場合もございますが、できる限りお電話か受付にて事前のご予約をお願いいたします。
詳しくは予防接種ページをご確認ください。

助成制度について

定期接種は、多くの場合、公費負担により無料で受けられます。任意接種についても、各自治体で助成制度が設けられている場合があります。お住まいの市区町村によって内容が異なるため、最新の情報はお住まいの自治体の公式ホームページまでお気軽にお問い合わせください。

まとめ

予防接種は、お子さまをさまざまな感染症から守るだけでなく、ご家族や地域社会全体の健康を守るためにも大切な取り組みです。大谷地のびやか子どもクリニックでは、厚別区大谷地を中心に、清田区・白石区・豊平区・江別市・北広島市など近隣地域からも多くのご家族にご来院いただいております。初めての予防接種でご不安な方も、安心してご相談いただけるよう、わかりやすく丁寧なご説明とサポートを心がけております。お子さまの健康を守る大切な一歩として、ぜひお気軽にご相談・ご来院ください。

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