ヘルパンギーナとはどんな病気?子どもの高熱・口の奥の痛み対策と登園・登校の目安

「急に38℃以上の高熱が出た」「のどの奥を痛がって何も飲めない」
そんなご心配を抱える保護者の方が多くいらっしゃいます。ヘルパンギーナは、口の奥(のどの奥)に小さな水ぶくれができる感染症で、痛みや高熱が辛いものです。
厚別区の小児科「大谷地のびやか子どもクリニック」では、口腔内の水疱や高熱の程度を丁寧に確認し、症状に応じたケアをご提案します。保護者の方が安心して対応できるよう、きめ細かくサポートいたします。
原因・症状・治療方法・家庭でのケア・受診の目安・登園・登校のタイミング、感染予防までをわかりやすくまとめました。
ヘルパンギーナとは?
ヘルパンギーナは、主にコクサッキーウイルスA群やB群、エコーウイルス、エンテロウイルス71型による感染症で、夏~初秋(5~7月頃)に乳幼児を中心に流行します。
名前の由来は、水疱(herpes風)のような水ぶくれがのどの奥にできること(angina=のどの痛み)から。口の奥に小さな水ぶくれが数個でき、高熱やのどの痛みが特徴です。
潜伏期間
感染後、2~5日ほどで発熱などの症状が現れます。潜伏中でも感染力があるため、早めの対策が必要です。
主な症状
症状 | 内容・特徴 |
---|---|
突然の高熱 | 38〜40℃前後の高熱が急に出ます。1〜3日程度で自然に下がります。 |
のどの痛み | 口の奥(咽頭〜口蓋)に小さな水ぶくれができ、強い痛みを訴えることがあります。 |
食欲不振 | のどの痛みが原因で飲食を嫌がる・水分がとれないこともあります。 |
全身のだるさ | 発熱により元気がなく、ぐったりする様子が見られます。 |
受診の目安
発熱がみられる、口の中を痛がるなどの症状がみられる場合はお気軽に当クリニックにご相談ください。
感染経路
ヘルパンギーナは、以下の経路で感染が広がります。
- 飛沫感染:咳やくしゃみを通じてウイルスが飛び散る
- 接触感染:唾液や鼻水が付着した手や物を介して感染
- 糞口感染:ウイルスを含む便に触れた手から口へ(おむつ交換時など要注意)
これらの経路を意識して、日常生活の中で予防対策を行うことが大切です。
感染予防のポイント
- 外出後や食事前の手洗い・うがいを徹底する
- タオルやコップの共用は避ける
- おむつ交換やトイレの後はしっかりと手洗い
- ドアノブ・おもちゃなどは定期的に清潔に保つ
治療方法
解熱鎮痛剤の使用
発熱や強いのどの痛みには、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛剤を処方して、つらい症状をやわらげます。
局所ケア
痛みが強い場合には、うがい薬や口腔内に使用する塗り薬などの処方を検討します。小さなお子さまには、うがいの可否を判断し、適切な対応を選びます。
水分・栄養補給のサポート
のどの痛みで飲食が困難な場合には、冷たくて飲みやすいもの(経口補水液、ゼリー、スープ、アイスなど)を少しずつ摂るようアドバイスします。脱水が懸念されるときは、必要に応じて点滴などの処置を行います。
安静と休養のご案内
発熱による消耗を防ぐため、無理をさせず十分な休養をとるようご説明し、室温・水分補給・睡眠環境など家庭での対応についても丁寧にご案内します。
ご家庭でできるケア
食事の工夫
口当たりの良い冷たいもの(ゼリー、プリン、アイスなど)を与えると痛みが和らぎ、摂取しやすくなります。
水分補給の工夫
こまめな水分補給を意識し、脱水予防に努めましょう。経口補水液も有効です。
うがい・口腔ケア
痛みが強くなければ、うがいやぬるま湯で口の中をゆすいで清潔を保ちます。
休息環境の確保
静かで涼しい部屋で、しっかりと休ませてあげてください。
登園・登校の目安
- 発熱やのどの痛みがなくなり、食事や活動ができれば登園・登校は可能です。
- 水疱が口の中に残っていても、症状が落ち着いていれば感染力は低く、出席が可能とされています。
なお、プール活動は症状の程度や施設の方針により制限される場合があるため、事前に医師や園・学校へご相談ください。
最後に
ヘルパンギーナは夏に流行する感染症で、多くの場合は1週間程度で自然に回復しますが、強い痛みや脱水症状が見られることもあるため、丁寧なケアと観察が必要です。
厚別区の小児科「大谷地のびやか子どもクリニック」では、お子さまの状態に応じて丁寧な診療とアドバイスを行っています。症状が気になる場合は、どうぞお気軽にご相談ください。