1歳頃から推奨される予防接種|ワクチンの種類とスケジュールを解説

「1歳になったら、どのワクチンを打つの?」
「種類がたくさんあるけど、全部同時に接種して大丈夫?」
「任意接種って、受けなくてもいいの?」
1歳のお誕生日が近づくと、多くの保護者の方がこのような予防接種に関する疑問や不安をお持ちになります。
厚別区の小児科「大谷地のびやか子どもクリニック」では、お子さまの大切な節目である1歳の予防接種を安心して進めていただけるよう、一人ひとりの状況に合わせて丁寧に説明し、サポートしています。
1歳で受けるべきワクチンの種類や目的、スケジュールについてわかりやすく解説します。
なぜ「1歳」が予防接種の重要な節目なのでしょうか?
その最大の理由は、お母さんから受け継いだ「免疫(抗体)」の効果が薄れてくる時期だからです。
赤ちゃんは、生まれる時にお母さんから様々な病気に対する免疫をプレゼントされます。このおかげで、生後数ヶ月の間は感染症から守られていました。しかし、この受け継いだ免疫は永続的ではなく、生後6ヶ月頃から徐々に減り始め、1歳になる頃には、特定の病気に対する抵抗力がほとんどなくなってしまいます。
つまり、お子さま自身の力で免疫を獲得し、体を守る準備を始めるべき最初のタイミングが、この1歳の誕生日なのです。
1歳で接種が推奨されるワクチン一覧
1歳になったら接種するワクチンは、定期接種(公費で無料)と任意接種(自費)があります。
【定期接種】
- MR(麻しん・風しん混合)ワクチン(1回目)
- 水痘(みずぼうそう)ワクチン(1回目)
- 五種混合ワクチン(4回目)
- 小児用肺炎球菌ワクチン(4回目)
※五種混合ワクチンは、ヒブワクチンと四種混合ワクチン(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)が一つになったワクチンです。
※2024年3月までにヒブワクチンと四種混合ワクチンで接種を開始したお子さまは、原則として引き続き同じワクチンで4回目の接種を行います。ご自身のスケジュールがご不明な場合は、母子手帳をご確認いただくか、当院までお気軽にご相談ください。
【任意接種】
- おたふくかぜワクチン(1回目)
「任意接種」と聞くと、接種すべきか迷われるかもしれません。しかし、日本小児科学会では、おたふくかぜワクチンも他のワクチンと同時に、1歳で接種することを強く推奨しています。
※札幌市では1歳から3歳未満のお子さんのおたふくかぜワクチン初回接種に3000円の一部助成があります。
次に、それぞれのワクチンがなぜ大切なのか、詳しく見ていきましょう。
各ワクチンの目的と重要性
MRワクチン(麻しん・風しん)
麻しん(はしか)は非常に感染力が強く、肺炎や脳炎といった重い合併症を引き起こすことがあります。風しんも、本人の症状は軽くても、妊娠中の方が感染するとお腹の赤ちゃんに深刻な影響(先天性風しん症候群)を及ぼす可能性がある病気です。お子さま自身と、未来の赤ちゃんを守るために、1歳になったらできるだけ早く接種しましょう。
水痘ワクチン(みずぼうそう)
水痘(みずぼうそう)は、全身の発疹が特徴的な、感染力の高い病気です。お子さんが保育園などの集団生活に入ると、感染のリスクが高まります。ワクチンで発症や重症化を防ぐことができます。
五種混合ワクチン(追加接種)
ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ、そしてヒブ(インフルエンザ菌b型)による重い感染症(細菌性髄膜炎など)を予防するワクチンです。生後2か月から始まった初回接種で得られた免疫を、より強固なものにするために、1歳頃の追加接種が非常に重要です。この4回目の接種による「ブースター効果」で、病気への抵抗力が高まります。
小児用肺炎球菌ワクチン(追加接種)
細菌性髄膜炎や肺炎、敗血症といった重い病気を引き起こす肺炎球菌からお子さまを守ります。こちらも生後2か月から接種を始めていますが、免疫をより確実なものにするため、1歳での追加接種(4回目)が推奨されています。この接種でブースター効果が得られ、感染リスクをさらに下げることができます。
おたふくかぜワクチン(任意接種)
「耳の下が腫れるだけ」と思われがちですが、おたふくかぜは重い合併症に注意が必要です。特に、治療法のない「ムンプス難聴」を発症すると、永続的に聴力を失ってしまう可能性があります。日本では、毎年60万人以上がおたふくかぜに罹患しているとのデータもあり、決して稀な病気ではありません。札幌市は一部助成がありますので、お子さまの未来を守るためにも、ぜひ接種をご検討ください。
当院での予防接種の特徴
大谷地のびやか子どもクリニックでは、毎週火曜日・金曜日の14:00〜15:00に、予防接種専用の時間帯を設けています。感染症の患者さまと接触する機会を減らし、より安心して接種を受けていただけるよう配慮しています。ワクチンの在庫状況により当日でも接種が可能な場合もございますが、できる限りお電話か受付にて事前のご予約をお願いいたします。
詳しくは予防接種ページをご確認ください。
よくあるご質問
Q. 5種類のワクチンは、同時に接種できますか?
同時接種に関しては特に危険性はなく、効果も問題ないとされているため可能ですが、1歳児は0歳児と違い、針を刺されているのをある程度自覚でき、泣いて嫌がるお子さんをなだめながらの接種になることも多く、当クリニックでは2~3種類ずつに分けて接種することをお勧めしています。接種のスケジュール等についてもワクチン専用ダイヤルまでご相談ください。
Q. 接種が遅れてしまった場合はどうなりますか?
定期接種の対象年齢を過ぎると公費(無料)での接種ができなくなりますが、接種自体は可能です。気づいた時点で、できるだけ早くご相談ください。
最後に
1歳のお誕生日は、お子さまが感染症に対して”無防備”な状態になる節目の時期です。近年は1歳から保育園に通い始めるお子さまも多く、集団生活での感染リスクも高まっています。
大切な記念日を笑顔で迎えるためにも、そしてこれからの健やかな成長を守るためにも、計画的なワクチン接種を進めていきましょう。
厚別区の小児科「大谷地のびやか子どもクリニック」では、1歳で推奨されるワクチンはもちろん、すべての定期接種・任意接種について丁寧にご説明し、安心して受けていただけるよう体制を整えています。ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。