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先生のおはなし

2025.08.21

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の概要と症状|北海道で初確認、マダニ感染に注意

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の概要と症状を解説する大谷地のびやか子どもクリニックの案内画像

「北海道で初めてSFTSの患者が出た」というニュースを見て、
「子どもも感染するの?」
「ダニに咬まれたらどうしたらいいの?」
といったご質問をいただくことが増えてきています。

札幌市厚別区の小児科「大谷地のびやか子どもクリニック」院長の藤本隆憲です。
当院では、発熱や下痢、嘔吐などお子さんの体調の変化について、どんな些細なことでもお気軽にご相談いただけます。

今回は、8月に北海道で初めて感染者が確認され話題になっている「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」について、保護者の方に知っていただきたいポイントをわかりやすくご紹介します。

SFTSとはどんな病気?

SFTSは「Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome」の略で、日本語では「重症熱性血小板減少症候群」と呼ばれる感染症です。
SFTSウィルスによる感染症で、主にマダニが媒介し、発熱や消化器症状を引き起こす病気で、感染症法では「四類感染症」に分類されています。

  • 2011年:中国で初めて報告
  • 2012年:日本国内でも確認(渡航歴のない患者)
  • 2025年8月:北海道内で初の患者が報告

SFTSの主な症状

発熱(38℃以上の高熱)

数日間続く高熱が特徴です。

消化器症状

食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状がみられます。

出血傾向・意識障害など重症化のサイン

血液を止める働きを持つ「血小板」が減少し、出血しやすくなったり、意識がぼんやりするなど神経症状が出ることもあります。

感染経路と北海道でのリスク

マダニからの感染

マダニは公園・畑・キャンプ場など、身近な屋外の自然環境、森林、草むらにいる比較的大型のダニの一種で、屋内で食品、寝具につくコナダニ、ヒョウダニとは全く異なります。自然と触れ合う外遊びの際に薄手の長袖や長ズボンを着用するなど、肌の露出を減らすことが感染を防ぐ対策になります。

人から人へ感染することはある?

日本でも入院中の患者の血液から医療従事者への感染の報告はありますが、日常生活の範囲で人から人への感染はほとんどありません。

子どもも感染する?保護者が知っておきたいこと

子どもの感染例は少ないが油断は禁物

患者は高齢者に多いですが、お子さんがマダニに咬まれる可能性は十分あります。自然の中で遊ぶ際は肌の露出を抑える事が大切です。

受診の目安

マダニに咬まれた後や自然で遊んだ後に発熱・下痢・嘔吐が見られたら、まず小児科にご相談ください。
夜間や休日で迷った場合は、子ども医療電話相談「#8000」を活用することもできます。

SFTSの診断と治療について

血液検査でわかること

血小板(血を止める細胞)や白血球(免疫を守る細胞)の減少が特徴的です。

特効薬はなく対症療法が中心

点滴や酸素投与など、症状を和らげる治療が基本です。

SFTSを予防するためにできること

ダニに咬まれない服装・虫よけの工夫

・長袖、長ズボンで肌を隠す
・明るい色の服を選ぶ(ダニを見つけやすい)

外出後のダニチェックと早期対応

帰宅後は入浴や着替えでダニの付着を確認しましょう。もし咬まれていたら無理に取らず、医療機関で処置を受けてください。

放置した場合のリスクと早期受診の大切さ

重症化・致死率の高さ

致死率は10〜30%と報告されています。早期の受診が命を守るカギです。

「少しでもおかしい」と思ったら医療機関へ

自己判断せず、小児科にご相談ください。当院から必要に応じて専門医療機関をご紹介します。

よくある質問

SFTSの潜伏期間はどのくらいですか?

6日〜2週間程度です。

ダニに咬まれたらすぐ病院に行くべき?

無理に引き抜かず、皮膚科や小児科で処置を受けてください。

子どもでも感染する可能性はありますか?

高齢者に多いですが、子どもも感染の可能性があります。

予防接種はありますか?

現在はありません。予防策が一番大切です。

北海道以外でも感染しますか?

西日本を中心に報告されていましたが、全国的に広がっています。

当院へのアクセス

当院は地下鉄東西線「大谷地駅」5番出口直結のビル内にあります。屋上には20台分の駐車場も完備しており、お車での通院にも便利です。
厚別区大谷地をはじめ、清田区・白石区・豊平区・江別市・北広島市など、近隣地域からも多くの患者さまにご来院いただいています。

最後に

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は致死率の高さから注目される病気ですが、お子さんの感染例は非常に少なく、死亡例も報告されていません。とはいえ、北海道でも感染者が確認されたことで、マダニへの注意がこれまで以上に大切になっています。

大切なのは、過度に心配するのではなく、「正しい知識を持って、予防を心がけること」です。自然の中で遊ぶこと自体を避ける必要はありませんが、服装や虫よけなどの工夫でリスクを減らすことができます。

札幌市厚別区の小児科「大谷地のびやか子どもクリニック」では、発熱や下痢、嘔吐など、どんな小さな体調の変化でも丁寧に診察いたします。ご不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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